「みんな3年生はスイッチらしいよ・・・」
妻がママ友から届くLINEを読みながら、少し心苦しそうにつぶやいた。
「おまえたちがスイッチを頼んだとしても、お父さんからキャンセルしておくので。」
次男と三男は、私の言葉に少し困惑しながらも
「そんなことはお父さんにはできないはず・・・。」
と言わんばかりに、望みを捨てるどころか、野望に満ちた笑みを浮かべていた。
イブの朝、私が目を覚ますと寝室の壁に何かが貼られてあった。もちろん、遠目ながらあれだと気付いた。
「去年はかっこいいベイブレードをプレゼントしてくれて、ありがとうございました。今年はニンテンドウスイッチのスマッシュブラザーズSP(スペシャル)をください。」
と次男が書いた手紙が。そしてその横には、
「今年はニンテンドウスイッチ本体をください。」
と次男が三男の代筆で書いたであろう、合わせ技レターが貼られてあった。それを読んだとき、私も子どものころ手紙を書き、その通りのものが届くことがどれほど嬉しかったかを思い出し、少し罪悪感が混ざった切ない気持ちにも襲われた。25日の朝、5年生の長女が7時前に目を覚まし、次男と三男を起こし、階段を駆け下りていく。2歳の次女もこの日が何かもわかっていないが、目をこすりながら後に続いていく。玄関で見つけた包装紙に包まれたものを長女が仕分け。
「お兄ちゃんのは、やっぱりない・・・」
何も望まない長男は、そんな騒動も気にもせず布団の中だが、妹、弟たちは少し申し訳ない表情を浮かべたものも、すぐに笑みを取り戻し、自分のプレゼントの開封作業に入った。長女は望んだ通りのダンス用Tシャツ、次女はキティちゃんのママごとセットに大喜び。さて、男たちが手にしたものは明らかに想定のものより軽い。私は二人が泣くかもしれないと、悪趣味かもしれないが決定的瞬間を撮ろうとスマホを手にした。
「あ、これは・・・・」
と、次男が言いながら包装紙から顔を出したのは、立体迷路。次男もレベルの違う立体迷路。さあ、泣くか?!と思った瞬間、
「めっちゃ、面白いやつやん!」
と大喜び。ある意味、期待外れなリアクションだったが、心底『よかった・・・』と胸をなでおろした。
年が明け、11人の従兄弟同士で正月を祝った。3年生の従兄弟がスマッシュブラザーズSPをもらったので家でゲームをやろうと言ったが、私から公園で遊ぶことを勧めた。3人のお父さんvs男の子7人の「どろけい」。本気になって中学生から幼稚園児までが公園を逃げ回った。テレビの中でなく、リアルなスマッシュブラザーズ。
北風が吹く中、体から湯気が立つほど心身ともにあたたかくなりました。これぞスペシャル!
Culeafまつい
最近のコメント