2019.4「母の言霊」

「お母さん、お友だちと遊んでくる」

てくてくと二人乗りの遊具に乗っている親子に近づく2歳の娘、香芽。

遠目で見ていると、何かを話しかけている。口の動きからみると

「いっしょに遊ぼー。」

と言っているようだ。

しかし、その親子からの反応がまったくない様子。娘が困った顔でこちらに目をくれたので、遊具に近づきそのお母さんに会釈をすると、

「この子、新しい子がだめで、人見知りするんです。」

その後も、ブランコに移動したその子に健気に近づくも、お母さんが我が子を守るように側にいて、相手にされない。まるでボディーガードのように。

 

その子が、人見知りになったのは確かかもしないが、そうさせたのはそんなお母さんの対応ではないかと考えてしまう。恐らく一人目の子で、我が子に嫌な思いをさせたくないから、無菌室に入れるように育てたのかもしれない。

しかし、そのお母さんを責めることはできません。私も長男が幼い時、外遊びした後は除菌シートやスプレーで除菌をし、足が遅く身体の小さい息子の困る顔を見たくないので、ボディーガードの様に見守っていました。それだけ一人目の子は、心配になるのが親として当然でもあります。

「この子は新しい子がだめな子。人見知りなの」

と耳に入る距離で言われ続けられた子は、将来もそれを引きずってしまうのではないでしょうか。それだけ母の言葉は言霊となり、子どもの中に生き続けます。

私は母に「やればできる!」と言われ続けました。普段は部活しかしない子でしたが、高校受験、大学受験で頑張れたのはその言葉があったからだと思います。

親は我が子が出来ていないことに目がいきますが、子どもには可能性がたくさんあります。

「やればできる!」

これは、“今は出来ないけど、頑張れば出来るようになるよ”と上向きな良い言霊。

母の言葉は、言霊です。残してあげたい言葉を根気よく伝えていきましょう。

Culeafまつい