「裏切り?」
きっと彼の中にはその言葉があったと思う。
次男は兄と姉と同じミニバスケットボールチームに小学生1年生の時から所属していましたが、家庭の事情もあり4年生を最後に退団していました。所属していたチームも和気あいあいとして、楽しくやるバスケとしてはとてもよいチームでしたが、親としてはもっと上達できるチームに所属してほしいと欲もでてくるもので、杉並区にある強豪チームの体験に次男を誘ってみました。
「え・・・。体験だけならいいけど、俺は絶対に入らないよ。元のチームに戻るよ!」
次男は人一倍、友達関係を大切にするタイプなので、私も
「きっと入らないだろう。」
と思いながらも、7月初旬、半ば強引に次男を体験に連れていきました。
練習内容や雰囲気など想像通りで、何より皆が上手くなりたいと真剣に取り組んでいて、ふざける子が1人もいないチームでした。
「斗哉、どうだ?入ってみないか?」
「・・・・」
断らない様子から悩んでいるのがわかる。親の思いで入会させても成長はないと思い、私も次男も沈黙した1、2週間。その間、次男の表情からも元チームメイトに“戻る”と伝えていたのに裏切るようなことになるのではと、葛藤しているのがわかった。
私も次男に辛い思いをさせてしまっていると心が痛くなりましたが、次男が何に向きうかを見守っていました。
「やっぱり、俺は上手くなりたい!」
「入会することにする!」
3度目の体験のあと、自分でコーチに入会を伝えて体育館から出てきました。
兄も姉も卒団したチームを離れ、「自分はどうなりたいのか?」と向き合えた経験は、いつも兄と姉の後を追いかけていた3番目の子としては大きな成長につながると思う。
「前のチームメンバーになんて言おう?」
「お父さんが入れって言ったからと、お父さんのせいにすれば?」
「え?それでいいの・・・・?」
「いや、やっぱり俺は上手くなりたいからチームを変えたと正直に伝えるわ!」
兄姉に「幼い」といつも馬鹿にされる事が多かった次男が一皮向けた瞬間でした。
これからも“自分がどうなりたいか?”に向き合って成長してほしい。
Culeaf まつい
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