過去コラム

2019.3「しかたない」

「なんど言ったらわかるの!早く食べなさい!」

「あ!食べるの、わすれていた・・・。わすれんぼう妖怪がついているのかな〜。えいえい!」

と、ごはんの中にいる妖怪を倒すようなそぶりをして、お箸を茶わんに突き刺しながら、妻のいらだちが伝わっていないのか、きょとんとした表情でまたご飯を食べ始める三男のつかさ。そして、また他のことに気が散って、

「また食べてない!」

と叱られ繰り返すこと3回以上は朝飯前ならぬ、朝飯中。そのうち、手は出ませんが妻の怒号が飛んできます。

人は自分の思い通りにならないといらだちを感じるものですが、子育てをしていると、「あと3分で出かけたいのに、子どもが靴下すら履いてくれない」など、思い通りにならないことは日常茶飯事だと思います。

 

千葉県野田市の児童が親の虐待を受けて亡くなった件で、しつけに関しての議論がメディアでも多くとりあげられています。役所や学校での対応や法改正などが話題にされていますが、そもそもなぜ、年間10万件もの虐待が起きてしまうのか。私は”思い通りにしたい気持ち“が強すぎる大人が多くなった事が要因の1つではないかと考えています。では、その大人である我々は、なぜ”思い通りにしたい気持ち“が強くなったのか。我々が子どもの頃、世の中がどんどん便利になり、「ハンバーグを食べたい!」と思ったら、車にのりレストランに行けました。雨が降っても、室内で遊ぶおもちゃがたくさんありました。知りたいことをすぐに調べる事ができるようになりました。テレビゲームは思い通りになるまで何度でもリセットして挑戦できました。そして思い通りになったらスッキリしました。

そこで、思い出したのが私も大好きだった人気ドラマ「下町ロケット」。台風が近づいてきて、稲が全滅するシーンでの百姓のおやじさんのセリフ。

「自然を相手にしていると、しかたない。」

どうしようもない大自然の脅威に“しかたない”と腹をくくったシーン。自然の中では、思い通りにならないことがたくさんあります。人間もそもそも自然を相手にしてきた動物。思い通りにならず、“しかたない”と諦めることも多くあったはずです。

我々が便利な時代から逆行することは難しいですし、すぐに何でも“しかたない”と諦めることもよくないですが、子どもたちには、できるだけ自然と接し“しかたない”と、思い通りにならない経験をさせてあげることも大切だと感じました。

子育てとは自然を相手にすることにも近いのではないでしょうか。たまには“しかたない”と嵐が去るのを待つことも、ストレスを溜めないコツかもしれません。

 

Culeafまつい

2019.2「親の仕事」

中一の長男がバスケ部女子の大会をチームメイトと観戦に行くという。女子には興味がないと普段から言う長男にしては珍しい。

「俺はべつに行きたいとは思わないんだけど、友達が行こう!って言うので・・」

試合会場は我が家から徒歩20分くらいの中学校。

当日の朝、スマホを持っていない長男は、妻のスマホ経由で、

「どうやって会場までいく?」

とLINEをうつ。

「どこか近くのお店に自転車を置いて、そこから歩いていこう。」

と返信があった。部活のルールでは会場まで自転車で行くのは禁止されている。ゆえに、自転車で途中までいくことも当然だめな訳です。

そのやりとりを朝食を食べながら見ていた私は、

「部活で禁止されていることをバレなければいいと思ってやるのはよくない。しかも、そのお店で買い物もしないのであればお店にも不快なことだ。」

と長男に注意。納得した長男は友達に電話をして

「自転車でいくのはそもそもだめだし、バレたら部活停止になるかもしれない。お店にも悪いし・・・」

「・・・・いや、だから、だめだって・・・、お父さんもそう言ってるし・・・」

どうやら、それでも自転車で行くことを押し通そうとしている友達が受話器の向こうにいるようだったので、私が電話を代わった。懇々とその友達にも説明し、

「お母さんに代わって。」

とその友達のお母さんにもこの行動を見て見ぬ振りをしてはいけないことを説明。おせっかいな友達の父親と思われるかもしれないが、子どもの間違った行動を見逃す親でいてほしくなかった。

二人はそれぞれ徒歩で会場まで行き、一件落着。その後、そのお母さんからも「うちの主人も怒っていたし、注意してもらいありがとうございました。」と報告があった。

私も学生のころ、この程度の悪行は「ばれなければいいや」とやってしまったことは正直ある。また、親としても歩くのが大変だから何かいい方法はないかと子どのもの楽を考えてしまうこともある。“自分がそうだったらから子どもには注意できない“という気持ちも生まれる。しかし、だめな行動は、自分がしたことがあるかないかではなく、だめだと見過ごさない姿勢が親の仕事だと思う。

親の仕事は外で働くことではない。子どもを育てるからには親としての仕事もしっかりしなければいけない。

「最近、読み聞かせをしてなかったね。」

と図書館で絵本を借りて、下の子たちに絵本の読み聞かせをした。これも親の仕事。

Culeafまつい

2019.1「スマッシュブラザーズSP」

「みんな3年生はスイッチらしいよ・・・」

妻がママ友から届くLINEを読みながら、少し心苦しそうにつぶやいた。

「おまえたちがスイッチを頼んだとしても、お父さんからキャンセルしておくので。」

次男と三男は、私の言葉に少し困惑しながらも

「そんなことはお父さんにはできないはず・・・。」

と言わんばかりに、望みを捨てるどころか、野望に満ちた笑みを浮かべていた。

イブの朝、私が目を覚ますと寝室の壁に何かが貼られてあった。もちろん、遠目ながらあれだと気付いた。

「去年はかっこいいベイブレードをプレゼントしてくれて、ありがとうございました。今年はニンテンドウスイッチのスマッシュブラザーズSP(スペシャル)をください。」

と次男が書いた手紙が。そしてその横には、

「今年はニンテンドウスイッチ本体をください。」

と次男が三男の代筆で書いたであろう、合わせ技レターが貼られてあった。それを読んだとき、私も子どものころ手紙を書き、その通りのものが届くことがどれほど嬉しかったかを思い出し、少し罪悪感が混ざった切ない気持ちにも襲われた。25日の朝、5年生の長女が7時前に目を覚まし、次男と三男を起こし、階段を駆け下りていく。2歳の次女もこの日が何かもわかっていないが、目をこすりながら後に続いていく。玄関で見つけた包装紙に包まれたものを長女が仕分け。

「お兄ちゃんのは、やっぱりない・・・」

何も望まない長男は、そんな騒動も気にもせず布団の中だが、妹、弟たちは少し申し訳ない表情を浮かべたものも、すぐに笑みを取り戻し、自分のプレゼントの開封作業に入った。長女は望んだ通りのダンス用Tシャツ、次女はキティちゃんのママごとセットに大喜び。さて、男たちが手にしたものは明らかに想定のものより軽い。私は二人が泣くかもしれないと、悪趣味かもしれないが決定的瞬間を撮ろうとスマホを手にした。

「あ、これは・・・・」

と、次男が言いながら包装紙から顔を出したのは、立体迷路。次男もレベルの違う立体迷路。さあ、泣くか?!と思った瞬間、

「めっちゃ、面白いやつやん!」

と大喜び。ある意味、期待外れなリアクションだったが、心底『よかった・・・』と胸をなでおろした。

年が明け、11人の従兄弟同士で正月を祝った。3年生の従兄弟がスマッシュブラザーズSPをもらったので家でゲームをやろうと言ったが、私から公園で遊ぶことを勧めた。3人のお父さんvs男の子7人の「どろけい」。本気になって中学生から幼稚園児までが公園を逃げ回った。テレビの中でなく、リアルなスマッシュブラザーズ。

北風が吹く中、体から湯気が立つほど心身ともにあたたかくなりました。これぞスペシャル!

Culeafまつい

2018.12「世の中、すべて提案されている!」

これは私が大学生の時、一緒に塾を立ち上げた親友が、JR東海に入社し駅ビルの広告担当として活躍していた頃に言っていた言葉です。

 

「風邪のひき始めにはこの薬がいいんだ!」

「あのお弁当美味しそう!」

なんて、テレビCMを見て衝動的に何かを購入した経験は皆あるのではないでしょうか。

一方、テレビ番組を見ていて、“薬に頼るのは良くない!”“コンビニ弁当は身体によくない”“と主張する番組はほとんどありません。なぜかと言うと、テレビのスポンサー(CM)に多くの製薬会社や、コンビニ会社、食品メーカーが入っているからです。でも、医者は薬に頼りすぎず、コンビニ弁当を作っている会社の社員はコンビニ弁当を食べないという事実もあるようです。また、この時期になるとインフルエンザの予防接種を打つ方がよいという提案が広まりますが、その割にはインフルエンザ感染者が毎年のように過去最多となることに疑問を感じます。もしかすると予防接種を打つほど免疫力が下がり、インフルエンザにかかり易くなり、製薬会社が儲かる仕組みになっているのではと疑ってしまうほどです。

先日の保護者会では、

「私は地方育ちで受験という言葉すら知らない小学生時代でしたが、周りの人が受験をすると聞いたので、我が子にも受験させた方が良いのかと思って・・・」

と、多くの方がおっしゃっていました。誰かが受験した方が良いと提案しているのでしょうか。私は受験に向いている子は10人に1人くらいと感覚的に思いますが、現実は2〜3割の子が都内では受験するようです。要するに10人中1、2人は受験に向いてないのに受験した方が良いと誰かに提案されているように感じます。これでは、風邪をひいてない子も薬を飲むように提案されているようなものです。

経済の力学で考えると、提案しているのは昔は子ども全体の1割が受験してくれたら満たされていた私立の学校や進学塾ではないかと考えてしまいます。30年前と比べると子どもの人数は半分になり、私立学校も進学塾も生き残りに必死です。特にブランド校ではなく中堅クラスの学校や塾はより必死に受験を提案するでしょう。

「高校受験がないので楽をさせてあげたい。」「部活に専念できるので。」

と中学受験を提案されている話もあるようですが、実際は、

「入学したら楽だと思っていましたが、毎日補習や宿題が多くて大変です。」

との声も保護者会でありました。当然、今度は大学合格実績を作るために必死です。

「世の中、すべて提案されている。」

極端な言い方かもしれませんが、過度な提案に流されず真価を見る力が必要です。

Culeafまつい

保護中: 2018.11「渋ハロ?」

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2018.10「1点の重み」

「じゅう!きゅう!はち、なな、ろく、」

「ピーーーー!」

バスケ部の区民大会準決勝。2点リードの谷原中学。ボールを奪った谷原中キャプテンがものすごい速さでドリブルをし、残り5秒で決勝点を決めようとするが、相手チームの必死のディフェンスにより得点は阻止されます。しかし、ファールをもらいフリースロー。2本決めれば勝利はほぼ確定。だが、この緊迫した中、1投目を落としてしまう。2投目は決まり3点差。相手チームのタイムアウトの後、3ポイントシュートを警戒し、残り5秒でゲーム再開。相手チームのエースがボールを持つが、執拗なディフェンスによりシュートを打たせない。

「にー、いち!」

苦し紛れにパスを出すしかない相手のエース。谷原中の勝利かと思った時、パスを受け取った選手が半ば投げる様に投じたロングシュート。

「ガ、コン!!」

ボールがボードにあたりリングに吸い込まれた。その後、延長戦となったが退場者が多く出ていた谷原中は敗退。選手達は1点の重みを感じ、涙を流した。

話は変わりますが、首都圏の中学受験比率は22%。約5人に1人が受験する。世界一の教育といわれるオランダも中学受験が盛んなようだが、その内容が日本とはまったく違う。オランダは期末テストなど各学年での成績が蓄積されており、その蓄積された成績表をもとに進学する中学を決めるようだ。要するに日本の様に一度のテストの点によって進学先が決まるのではなく、小学校での経歴がみられるわけです。日本は一度しかない本番のテストの1点の重みが大きく、6年生の時には特に過度な負担がかかります。あるアンケートによると就寝時間「22時〜23時」が49%、「23時〜0時」が32%と、最も身体が成長するときに大切な睡眠時間を削らざるをえないのです。当然、脳の発育にもよくないのです。2020年学習指導要領が変わり、よりよい授業内容になりそうですが、そもそもの受験システムを変える方が日本の教育において優先なのではないでしょうか。スポーツにおいても日本の受験においても1点の重みは大きい。しかし、受験の方は模試がよくても、その日のアクシデントで報われなかった話もよく聞く。スポーツにおいても大会などの成績も大切だが、その選手の能力そのものをみてスカウトが来る。また、スポーツは勝っても負けても向上心が芽生える事が多いが、受験を終えた中学生が「もう勉強も受験もしたくない」と言っている話もよく聞く。

我が家の長男も谷原中学のバスケ部に入り毎日練習に励みながら、朝や休日に勉強も少しはしている様です。先日の英単語のテスト。99点だったと1点の重みを感じたようですが、間違った単語がまさかの「basketball」。「basketdall」と、「b」を「d」を間違えるのだから、バスケも勉強もまだまだ足りてないようです。

Culeafまつい

2018.9「やりすぎはだめ!」

4月からくりーふキッズスクールに通う年中のつかさ。毎回の思考実験が楽しいようで、

「幼稚園より、くりーふが好き!早く行きたい!」

と幼稚園から帰ってくるなり、足早に教室に向かうほど。数への好奇心も芽生えてきたのか、小学生の兄がやっている計算くりーふ(計算ドリル)をみて、

「ぼくもやりたい!」

と言うので、1年生の簡単のものを与えました。

「やりすぎはだめだよ!」

天邪鬼なつかさには効果てきめんと思い、以前から試したかったこの言葉の実験をすることにしました。

 

人は「やれ!やれ!」と言われたらやる気をなくしますが、その逆を言えばやるようになるのではと、子どもに試したかったこの言葉。案の定、

「え〜、もっとやっちゃうもんね〜」

と私が目を離している間に、数ページをノリノリでこなしたようです。

その後も

「やりすぎはだめだよ!」

という度に、いたずらな微笑みを見せながら

「いっぱい、やっちゃうもんねー」

と進んで勉強に取り組みます。

これは面白いと、3年生の次男にも

「1日1ページしか、やってはだめだよ!」

と言うと、今まで無理やりでもやらなかった次男も毎朝2ページするようになりました。

 

いたずら好きな子どもは多いですが、彼らの多くは意外性を求めているのではないでしょうか。予想と反することをして人が驚くのを楽しむのです。また、自分に注目を集めたいのです。だから、いたずら好きな子ほど、天邪鬼だったりします。

「勉強はやりすぎてはだめ!」

「え!いいの?じゃあ止める〜」

中一の長男に通じなかったですが、我が家のいたずらっ子たちにはこの言葉の実験続けてみます。

 

Culeafまつい

2018.7「ほぼほぼ、一生使わない」

「溶岩とマグマの違いってわかる?」

中一の長男が初の期末テストに備えて、勉強をしている。

「ん〜。なんだったかな。忘れたわー。どう違うの?」

「塾の先生なのに、そんなこと知らないの?」

少しカチンときた私は、

「一所懸命勉強しているところ申し訳ないが、そんな知識は、大人になって、ほぼほぼ、一生使わないからな。」

と言い返してしました。

 

しかし、これは感情的になって言っただけではなく、私が普段から今の学校教育に関して思っていることです。戦後70年が経ち、一家に一台パソコンがあり、インターネットが普及し、仕事内容も変わり、求める人材も変わったにも関わらず、なぜか学校教育は大きく変わらない。子どもたちの問題集を見ても、まだゾウリムシとミドリムシがどちらかを問うものや、玄武岩や流紋岩、安山岩を漢字から覚えないといけないものなどがある。もちろん、教育は不変的でなければいけないものもあり、また、知識はないよりあった方が良いのは事実です。しかし、知識偏重型から知識活用型に変わらなければいけないと言われて少なくとも数年は経っています。学校の先生も何かに縛られて授業を行わないといけないのもわかりますが、ゾウリムシやミドリムシの違い、玄武岩や流紋岩の違いを覚える時間があったら他の学習に時間をさいてほしいと思うのは私だけでしょうか。

ちなみに、長男は期末テストで、玄武岩の「武」の跳ねるところを跳ねて書いていなかったために×だったようです。それは国語の問題であり、理科の習熟度を測る採点としては少々厳しすぎるようにも感じます。

 

長男は塾には行っていませんが、周りの友達の話を聞くと部活の後に塾に行き、塾から帰り学校の宿題と塾の宿題を済ませると寝るのが12時を超えることも多いようです。身体が大きくなる人生で最後のこの期間に、有意義な学習で成長や健康にハンデを追うのであればまだしも、知識偏重型の教育で、子どもの成長や健康を害するのはやめてほしいものです。

 

「一平、魔王の作曲者はだれだか覚えている?」

音楽のテスト当日、妻から抜き打ちの質問。

「え〜っと、あれ、なんだっけ・・・  シートベルト」

またまた朝から家族大爆笑。それでは身体を守れても、品格は守れない。

ある程度の知識は必要ですね。

 

Culeafまつい

2018.6「調べ好きへ」

「“横”という漢字の部首は、なぜ“木(きへん)”なのか知っていますか?」

「昔、門が開かないようにさしわたす“かんぬき”を指す漢字で、かんぬきが木で出来ていたので、部首が“木”なのは、そのなごりだそうです。」

娘の美澪がクラスの日直として、行ったスピーチ。

「どうしよー。お父さん、明日、日直なんだけど、何を言ったらいい?」

と、日直前日の21時を過ぎてから右往左往しだす美澪。以前、私が購入していた「漢字ときあかし辞典」があったので、そこから引用して何とかスピーチが完成しました。

理系の私には、理屈から漢字を学べる「ときあかし辞典」は重宝する一冊。そんな“横”の成り立ちをくりーふの授業でも話をしていると、好奇心旺盛な5年生のしょうたろう君から、

「じゃあ、じょう先生。漢字の“漢”はなぜ水を表す“氵(さんずい)”なの?」

と質問が飛んできました。恥かしながら即答できなかったので、私の宿題としてその日は持ち帰りました。

「漢字の“漢”は、昔、中国に漢という川が流れていて、その川を中心に文明が発展し、漢という国ができ、そこで生まれた文字なので“漢”字だそうです。」

「ちなみに、インダス文明やエジプト文明など昔から川の周辺で文明が起きるのはなぜだか知っている?・・・」

と、翌週には、質問への回答とともに話を発展させることもできました。

 

これからの時代は、多くの知識を持っている知識偏重型よりも、調べる力や知識を活かす知識活用型が大切と言われます。では、その“調べる力”はどうしたら身につくのか考えさせられます。

私の答えはやはり「好奇心」です。

娘の様に、日直のスピーチなど差し迫った課題があれば「漢字ときあかし辞典」も開くかもしれませんが、漢字への好奇心がない限り、あまり自ら開くものではありません。

では、「好奇心」はどのように育めばいいの?と質問が飛んできそうですが、一筋縄ではいきません。様々なアプローチや環境が必要です。ただ、無理やりさせたり、与え過ぎると好奇心は育たないことは確かです。

 

この4月からキッズスクール光が丘に楽しく通いだした次男の斗哉。好奇心が芽生え始めたのか、ある日、張り切って学校に辞典を持っていきました。学校から帰ってくると、

「辞典の引き方がわからなかった・・・」

と苦笑い。ランドセルの覗いてみると、なんと、「和英辞典」が入っていました。

次男には好奇心とは別に、育まなければいけないことがあるようです。

Culeafまつい

2018.5「大家族の宿命」

「とうやが家に帰ってきてから3時間。まだ宿題が終わらず。つかさにちょっかいを出したり、態度が悪かったり。今一度、親子で勉強に対する取り組みの約束決めたいです。」

妻から悲痛とも言えるLINEが、ふて腐れている次男の動画とともに、仕事中に送られてきた。仕事中だと分かっているのに私に送ってくるということは、妻のうっぷんが相当たまっている証拠。動画は5年生の長女が次男に気づかれないように撮っている。その姿の後方のキッチンでは、中学1年になった長男が、

「これ、うっめ〜!」

と、何かを食べながら叫んでいると思ったら、

「こら!だめだぞ、ふざけるな!」

と、三男を叱りはじめた。映像に姿はないが、1歳の次女の会話にもなっていない声もする。

そんな中、3年生の次男は、テーブルの上に学校の宿題の漢字ノートを広げたまま、椅子に膝を立てて横を向き、消しゴムをいじりながら一向に勉強する気配がない。妻だけでなく、きっと長男長女にも勉強を強要され、完全にやる気がなくなっているのがよくわかる。

松井家には、子どもたちそれぞれの部屋も学習机もないため、子どもたちはダイニングテーブルで勉強をします。それゆえに、周りが騒がしい状況で勉強しなければならないことがほとんど。妻の悲痛な悩みも分かりますが、この環境で勉強に集中しろというのも少し無理があると感じました。

別の日、私が2Fにいるとき、長男が1Fダイニングテーブルで勉強をはじめました。長男は塾に行かず、iPadで授業を受けられるコンテンツで勉強をするスタイルで中学を過ごすらしい。そこに長女が友達を連れて帰ってきました。騒がしい女子たちの声が、私のいる2Fまで聞こえてきます。

「こんな中、よく勉強ができるな。」

と、1Fを覗き込んだら、長男はイヤホンをして授業に集中していました。

「なるほど!」

と、思いましたが、イヤホンでは完全に外からの声を遮断できないのでしょう。翌日、長男から、

「ヘッドホンを買ってほしい。」

と、お願いされ、早速amazonで購入。長男からは高評価の学習アイテムになりました。

次男の学習対策は、これだけでは足らなそうですが、まずはヘッドホンをさせて、外からの音を遮断し、宿題に集中できないか試そうと思います。

それにしても、学習環境は大切ですね。これからも与えられた環境の中で、対策を考え続けます。

 

 

Culeafまつい